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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

『・・・っ・・・っく・・・うっ』




・・・。




・・・。






疲れたと言いつつ
中々寝付けない俺の耳に



すすり泣きみたいな音が聞こえてきたのは
しばらくしてからだった。






『うっ・・・っく・・・ひっく』







『・・・』











マリアは
俺が寝静まるのを待っていたのだろうか?

それとも・・・









トン・・・







暗い部屋…


足元に気を配りながら
マリアのいるソファに向かう。






『っく・・・うっ。・・・・・・』




寝ぼけてんのか?


いや…ちがう



マリアが泣き声を抑えて
毛布にくるまった・・・ような気配。








『マリア・・・?』


『・・・。・・・~~~~っ』







マリアは音ひとつ出さない。
寝たフリしてるみたいだ。





『マリア・・・こっちおいで』


『・・・っや・・・!』




暗闇に目が慣れてきた俺は

隠れてるマリアを
毛布ごと抱き上げてベットまで運んだ。




ちっちゃ・・・(笑)





軽っ・・・。








『っ・・・っく~~や…だ。』



『ルール・・・』




『っく・・・。???』








『ルールその2…怪我人は
ベットで寝ること・・・』









『・・・~~っ・・・』








『ルールその3・・・

泣き虫も・・・

ベットで寝ること』








『っ・・・っく・・・~~っ』








『わかったな?(笑)』










俺はマリアをそのままベットに寝かせて
隣に寝転んだ。






マリアが逃げないように?
毛布の上からぎゅっと抱き締めて・・・


ちがう・・・


マリアが・・・震えないように。











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