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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第2章 家出・・・デスカ??

そんなワケで

俺は、とりあえず

そいつに好きなだけ悪態つかせて

落ち着いてくれるのを待った。

(オトナの対応だろ?)




『ハァ……ハァっ……ハァっ……』

『・・・』




〃悪いようにはしないからさ?〃

・・・なんて言ったら
逆効果か?やっぱ?




『はな…して』

『うん。わかった』



そうしないと落ち着きそうにない
俺は仕方なく手をはなす。

逃げ・・・ないと思うけど

逃げたら

取っ捕まえて

今度こそ即・交番に放り込み

・・・で、いいかな?





『ハァ……ハァ』

『ね?・・・とりあえず
警察にはいかないから・・・』




〃とりあえず〃・・・だけどな?




『ハァ……ハァ……ハァっ』


『それならいい?話をしても。
君に変な事したり、なんもしないから絶対』





痴漢じゃねぇからさ俺は

マジで。







『ハァ……ハ』

『事情は、わかんないけどさ君・・・』





震えて・・・怯えて

んな顔すんなよなぁ

捕って食ったりしねぇっつーの。






『ハ……ハ……ハ……』

『こんな時間に・・・一人で』





時間にしてわずか数分だっただろうか

押し問答に引っ張り合いののち俺は




『それにさ・・・君、そんな』






俺はようやく・・・






『そんな格好して・・・寒いだろ?』






やっと・・・


その奇妙な出で立ちに


突っ込みを入れた。


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