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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第10章 ダメかな・・・?

『・・・ぇ…』



咄嗟に出た俺の言葉に
マリアはキョトンと目を丸くした。







『俺は・・・マリアと

・・・〃友達〃になんか

なる気は・・・・・・ない』












マリアと・・・

〃トモダチ〃なんかに

なりたいワケじゃない







『・・・』




マリアの薄茶色の瞳が
左右に揺れて・・・



笑っていた表情が一瞬で戻り
寂しそうに・・・曇った。








『・・・そう・・・だよね。…アハ

ハハハ…そうだよね・・・っ
そんな、調子の良いことばかり言っちゃ…。

ごめん、私・・・
自分のことばっかで・・・』








マリアが気まずそうに笑いながら
握手を求めて出していた手を引っ込めた。












『・・・・・・。

マリア・・・さ
さっき言ってたけど

ずっと…〃一人〃でいるのか?』







『・・・ぇ?』













『自由になったら…自由なまま

ずっと〃一人〃でいるつもりなのか?』








『ゆぅ…ちゃん…?』













『周りに仲間とかいてさ…
一人ぼっちじゃ、ないかもしんねぇけど

「これまでとは、ちがう」…
そうかもしんねぇけど…

〃周り〃じゃなくて…
〃隣〃に…並んで歩くヤツが・・・

肩並べてさ・・・
隣を歩くヤツが
いたらいけねぇのか?』











『・・・・・・?』











『ダメかな・・・』







『ゆぅ・・・』















『俺じゃ・・・ダメかな・・・?』








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