かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
『・・・?』
なんか…今
『…ぁ』
やっぱり、この部屋の奥から物音が・・・
『・・・あの?』
チラ・・・
理由はないが
咄嗟に部屋の奥に目を向けてしまう
『あぁっ、ちょぉ!にぃチャン!
アカン、アカン!!!
カンニンしてやぁ!?』
一瞬目を泳がせて
男が俺を押し返そうとした。
チラ…
『・・・』
狭い部屋の奥に…チラっと見える
少し死角になってるベットの上に
布団かぶって?
ぐるぐるになってる何か・・・
動いて・・・る?
『カンニンしてくれぇ?ホンマ!
ね…寝てんねん…〃コレ〃
今日は夜勤明けでなぁ!?』
小声で耳打ちするように話して
男が〃小指〃を立てて
俺にサインを送る。
〃あ・・・。マジかよ〃
『気難しいヤツでなぁ~…
起こすとメッッチャ機嫌ワルイねん!』
『す…すんません(汗)』
〃ヤッベぇ…〃
『エエて。ほな、またなニイチャン』
さっさとドアを閉めようとする男…
ガタ・・・っガタ・・っ
『・・・?』
俺は…
ホント咄嗟に…
ガツ…っ
閉まるドアに手を突っ込んで
止めていた。
『っな!?何すんねんっ!?』
『・・・マリアっ!?』