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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第14章 薄汚いこと・・・

男は開き直るかのように
ペラペラと喋り始めた


俺の表情の変化を
気にも止めず




『ウサギの皮被った~アバズレ
っちゅうトコかっ?!
上手いやろっ?ハハハっ!!!

ホンマ人間
見た目じゃわからんもんやぁ!』





『・・・』





『〃公衆便所〃使うて…

何がワルイんや?』






『・・・っ!』






このキチガイ・・・

もう勘弁なんねぇぞ!











『・・・っ、ゆぅちゃん…っ』




マリアが小さく叫んで
引き返そうとする俺を止めた




そして背を向けたまま
首を振る


〃いいから〃
と言うように、何度も。






『マリア…先に部屋戻ってろ』








それにもマリアは〃NO〃と首を振る




チクショウ…



マリアの前で暴力沙汰なんてのは最悪だ





『マリア…コイツと話してから
すぐ戻る。…部屋戻ってて?』


『…ダメ。…』




マリア・・・頼む
言うこと聞いてくれよ



マリアは下を向いたまま
頼りない手で俺の服を掴んで
出口を指すように引っ張る


おそらく…泣いている



これ以上、こんな所に
マリアを居させるべきではない



そんな中

飽き足らずに…開き直った減らず口が
よく動く







『プッ…フフフ!

顔良し!度胸良し!男気良し!

三拍子そろった…~カンペキな?
ヒーロー気取りでっか?!

〃彼氏サン〃?…フッハハハ♪』






『・・・テメェ』








『笑わしよるわぁ!ホンマにっ!!
こんなオモロイことないでぇっ!?

〃俺のオンナに手ぇ出すなぁ!!〃

な~んて♪ノリで突っ込んで来て?!

オマエのやってることは
どうやねん?!ハハハっ!!』








『・・・っ、』





!?







『おまえらなんかっ!

そもそも〃不倫〃やないかっ!!

〃人のモン〃に手ぇ出してんのは
そもそも、どこのどいつやっ?!

オレのしよることも
お前も、その女も
大した違いなんかあらへんわ!!

〃同じ穴のムジナ〃やでっ!!』






この…イカレ野郎が









『寝言は、寝てから言え

さっさと警察に・・・』







『フン!!そないな

薄汚いことしよるヤツがっ!!

偉そうに正義感振りかざすなや!』

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