テキストサイズ

かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第14章 薄汚いこと・・・

『そら見ろ!警察ゆうんやったら
その淫乱女を突き出しぃやっ!!!』


『あなた…ここに警察が来ても
同じことが言える?』


『おばちゃん~!?』


『そんな理屈が…通ると思うの?』



こういうイカれたヤツを
あまり刺激しない方が良いんじゃないか?

とか思いながらも
母親みたいに男に接するおばさんをみて…





『あの、大家さん…?』


マリアは何も言わず、言えず
うつむいたままだ

話にならない男に呆れて
俺はおばさんに声をかけた




『ぇ、ええと…あなたは…~』


『コイツの、〃兄〃です』




俺は迷わずに嘘をついた
とにかく場を片付けたい



『あ…あぁ、お兄さん?…お兄さんね』




『妹がお世話になってます

ドアを壊したのは俺です。申し訳ありません

あの…すみませんがコイツを
部屋に連れて帰ってくれませんか?』





『ぇ、ええ…でも・・・』




『少し…コノヒトと話があります

これ以上問題を…
暴力沙汰を起こしたりはしません

…絶対しませんから

妹を、お願いします

これ…部屋のカギです』




『…ええ。
…マリアちゃん?行きましょ?…』




おばさんはマリアを抱えて出ていった。





さて・・・


こんなイカレ野郎に


なんの弁解も求めなければ

なんの理解を求められるとも
思っていない


こんな腐ったヤツに
反省の弁などないだろう


精々、言うとしたら
マリアに二度と近づくな

って事くらいだ。






パチパチパチパチ・・・!









・・・は?







『ブラボ~♪』







マジでコイツ…イカれてる






『ハハハっ!!カンペキやなぁ!?

完璧な彼氏演じ切りました~って?!

さすがやなぁ?!』





『・・・』





『あ、ちゃうわ
〃兄貴〃やねんて?(笑)

関係聞かれたら

アホ丸出しでも、そないな事
ずっと言い続けるんか?』






『それがどうした?

て言うか、そもそもお前に関係ない』






『プッ…おもろい!そんだけや

同じ事を聞いたらな

あの子はアンタの事
〃弟〃や、て言うてたで?


なんやちぐはぐで
マヌケな兄妹やな?ハハハっ』





このクソッたれ・・・マジで
す巻きにして海にでも投げてやろーか?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ