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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第14章 薄汚いこと・・・

手渡されたのは…

マリア宛の封書だった。



・・・弁護士事務所からの。







なるほど・・・そういうことか。





一応は納得した。




『フツー盗るんやったら
ケータイの明細とかな?

せやけどそれしかなかって
ほんでもまぁオモロイことわかってん』





『・・・』




フツーは盗らねぇんだよ…バカが。









『テメェが一人でやったことか?』





『そうや』






『噂ってのはテメェが…』






『なんも言うてへんわ!そもそもここの
連中となんか付き合いもないわ!』







『…一応言っておく。

どっか遠くに消えて
二度と現れるな。

もし次にそのツラ見せたら
本気で殺す・・・』





聞きたい事は…聞けた。



無駄な事は承知で、男に一応警告をして

男から奪い返したマリアの郵便物を手に
俺は部屋を出ようとした。






『あ、忘れモンやで~?♪』




『・・・?』




ちったぁ大人しくなったかと思えば

振り向くと男は
何か白い物体を人差し指に引っ掻けて

くるくると回してニヤついてる。





『正確には・・・あの子のな♪』





パフ・・・




『・・・』




どっかでみた光景…



男がくるくる回してたそれを
俺の手に持たせた。




『ククっ…〃お届け〃するんは2度目やな?

不倫するような
ふしだらなオンナらしいわホンマ。

カワイイ顔に騙されんように
気ぃつけんとなぁ…』






『・・・』


まるで自分のしたことを
誇示するように…

開き直って俺を挑発するか。



コイツ…イカれてるどころか
薬中患者じゃねぇだろな?


異常すぎるぜ?







『薄汚い者同士…精々
愛を育んでや~♪』







俺のことなら…何とでも言え

いくらでも言え…


だけど、何も知らないヤツに

まして…こんなヤツに




マリアを侮辱されんのは


それだけは

許せねぇよ・・・?








ギュ・・・





っ・・・ガツッ・・・ン!!!








俺は

マリアの下着を握らされた手を

そのまま男の頬目掛けて

振り切った。

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