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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第15章 命の・・・重さ


『それじゃ、いってくるな?』

『うん…気をつけて』



俺は結局、翌日にマリアの家から
仕事に行った。




『明日まで休みなんだよな?

あ~…と、しかし
それも考えねぇとな?色々』



マリアはまだまだ不安定な体調だ
仕事も無理はさせられない。




『うん…。みんな助けてくれたりするけど

あまり傾向がよくなければ
考えないとね

あ、でも…一歩一歩で…ね?やるから
ゆぅちゃん…そんな心配しないで

ゆぅちゃんまで倒れちゃう』




マリアがニコリと微笑んで
俺を安心させようとしていた。





『安静にしてろよ?医者にも言われたろ?』



『ふふ・・・うん』





玄関を出る前に

俺は、なんとなーく
しゃがんで

マリアのお腹の前に顔を近づけた。






『ちょ・・・ゆぅちゃん?(苦笑)』




『お~い、お前?(笑)♪

あんまダダこねて、かぁちゃんを
困らずんじゃねぇぞ?

かぁちゃん今しんどいからな
いい子で留守番しとけよ~?♪』






『ふふっ・・・なにやってんのよ』






『た…胎教とかゆうヤツだろっ?(照)』









『まだ聞こえてないよ…(笑)』







『そうなのかっ?!』







『んふふ…ほら、ゆぅちゃん

遅刻するよ?』








『お、おぅ(汗)

帰りなんかメシ買ってくるから

食いたいのとか…食えそうなの
あったらメール入れといてくれ?』






『うん・・・ありがとう。・・・っ』





俺を見送るマリアが・・・




泣く・・・?







『マリア・・・?』







『~~っ…ごめん。ホルモンバランス

おかしくなるらしいから…。やだなぁ

ごめん・・・、いってらっしゃい』






『・・・あぁ』







『やさしい・・・パパだね』











マリアが・・・俺にハグして

そっとキスしてくれた。





切なそうな・・・顔してさ








『いってらっしゃい・・・』



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