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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯

マリアは震えながら必死に
旦那を睨み付けていた

うろたえる様子もなく
ニヤニヤと見下ろしてる旦那を…



まるでウサギがヘビに…
睨まれてるみてぇだ






『フフ・・・俺の子だろうが』


『~~…っ』








『勝手な事ばかり言ってお前は
腹の子に不憫な人生送らせるのか?

父親のいない・・・片親なんかで
満足な生活や満足な教育も受けられない
そんなみじめな思いさせるのか?

ハハッ…呆れたヤツだ。これだから女は…
お前はどこまでバカで最低なんだマリア…

〃親の都合〃で子どもが不憫だろう?
〃母親〃が聞いて呆れるぞ』








『・・・いない』






『?』











『この子に・・・父親は、いない』









『マリア…』










『この子に父親はいません』











『フン・・・感情論でモノを言うのは
大概にしろ…大体お前はな昔から…

ハァ…呆れて物が言えない

~俺の子だ…わかっていることだ
俺と、お前の…~』








『ちがう・・・』








『いい加減にしろよ?』
















『この子は・・・〃私の子〃です』













『マ・・・』










『他のどなたかの子でもなければ
あなたの子でもありません・・・

私が産んで…なにがあっても
私が育てます』









『フフッ……言うだけタダだな
世の中お前が思うほど甘くないぞ?
子どもには父親が必要だ…それに~』















『いないよ・・・いらないもの』








『何?…』
















『いないし・・・いらないの

私にも、この子にも・・・

〃必要ない〃の・・・』










『・・・』




















『子どもの前で・・・

母親に暴力を振るうような父親は

この子にはいらない・・・っ』


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