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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第17章 翼を・・・ください


男と女が・・・

同じ悲しみを、同じように感じることは
永遠に出来ないかもしれない




小さな命を…〃自分の中に〃抱えて
守ってきたマリアと


女であるマリアと
俺ら男では…感じ方が違うのは
当然かもしれない


マリアのように…自分の中にその命を
感じたり…愛しく思ったりなんて
確かに出来ない事だ





でも俺・・・やっぱりわかんねぇよ

理解できねぇよ

同じ男でも・・・あの人の気持ち

どんなに可能性を挙げて考えても

やっぱわかんねぇよ







『・・・っマリア』

『~~~~っ…』






俺でさえ・・・悲しくてたまんなくて


どうしようもなく悔しくて


涙が・・・止めらんねぇのにさ


なんであんた・・・他人に
愛想笑いなんかしてられたんだよ


俺わかんねぇよ・・・っ







『・・・っ…~~っごめんな』


『~~っ…~~っ』







短い間・・・


マリアと〃3人〃で過ごした時間・・・





『俺も・・・母ちゃんも

忘れねぇからな・・・〃お前のこと〃』





『~~っ…!…っう・・・ぅっ』








『ごめんな・・・っ』







守ってやれなくて・・・ごめんな







お前のことも…お前の母ちゃんのことも


こんな目にあわせて・・・



守ってやれなくて・・・ごめんな












『っ…~~っ・・・!』


『うっ・・・っ、ゆぅ・・・ちゃ…っ、ぅっ』








ごめんな・・・ごめんな・・・







俺はマリアと二人・・・

マリアのお腹をさすりながら

ずっと謝り続けた





二人で必死に声を押し殺しながら


その別れを惜しんだ・・・

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