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『あたし…只でさえ
気が立ってたっていうかさ

初めは、あの人のその態度みて
この女…ふざけんなっ！…って

それこそ、ひっぱたいてやろうか
とか…思ったけど

ちょっと…尻込みしてる自分に
気付いてたんだ』






『？？？』






『・・・認めたく…なかったけど、あたし』





『～・・・』












『・・・〃かなわないな〃…って思った』












『・・・ミユ』






『一点のブレもなく…真っ直ぐな
あの人の瞳(め)を見て・・・

なんか…多分あたし
全身で感じてたんだと思う

〃あぁ、私…この人には敵わないんだな〃
…って』







『・・・』






『あは・・・あの人が〃美人だから〃
とかじゃないよ？…なんてね

あの人・・・
この人が、あたしに
こんなに堂々と…ひたすら認めずに
嘘を突き通してるのは

自分が言い逃れするためでも何でもない
…他でもない

〃シノくんを…守るため〃なんだ
この人には・・・その覚悟があるんだ、って


他人が…あたしなんかが突っついても
怒鳴っても、喚いても
それこそ…ひっぱたいても

ちっともブレも揺れもしない
そういう覚悟が…この人にはあるんだ、って

本当に、シノくんを守ろうとしてるのは
あたしじゃないんだ…って

あの人の・・・〃あの時の瞳(め)〃をみて

認めたくないけど…あたし
感じてたんだと思う』






・・・。マリア・・・







『シノくんの気持ち弄んで…
一体どれほどの性悪オンナなの？！…
許せない・・・

なんて…信じて疑わずだったから
いざ目の前の人見て

その態度とか…言動
何よりは、無言の圧力？じゃないけど

あんな…さ
大人しそうっていうか、おっとりした
女の人なのに？

あたしなんかが何も太刀打ち出来ないような
その瞳の・・・気迫…

それ見たらあたし…なにこれ？あれ？
って・・・

そんなバカな…って
頭が…ワー!!ってなっちゃって

ってのは…あたしの言い訳だね
今のはナシね』





『・・・』






『だから・・・この人は
あたしがここで…いつまで、どれだけ

何を言っても…問い詰めても
シノくんの事も、シノくんと自分のことも

絶対何も認めない、口を割らない

今のシノくんみたいにね…

そう思った…』