
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第18章 捕らえられた・・・かごのとり
『さて…と』
ミユがベンチから立ち上がった
『頑張れとも、やめろとも言えないし?
あたしが言えるのは…そんくらいかな
応援はできないし…
することは絶対にない
今後は…してあげられることもないし
庇うことも…何もしないと思うからさ
あ…まぁ、最初から
お呼びじゃないと思うけど』
『・・・』
『でも・・・だからこそ
せめて・・・シノくん』
『・・・』
『ちゃんと…自分の身は、守りなよ?』
『・・・』
『・・・そんだけ♪じゃお先』
『ミユ・・・』
『うん?…』
『サンキューな・・・』
『・・・~』
『ぁ・・・昼メシ…サンキューな…』
『・・・。・・・うん』
ミユは少し微笑んで
会社に戻って行った
・・・全て・・・無くす
信用をなくし
下手すりゃ職をなくし
仲間をなくし
・・・人の幸せを奪い
傷つける。
俺は既に仲間の・・・
ミユの信頼を裏切り
思いやりを踏みつけ
傷付けていたことに気が付いた
こういう事を覚悟して
それを・・・わかってて
俺が選んだ道
