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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第19章 愛してるから・・・さようなら

『マリア・・・もうやめろよ』





俺は腕に力を入れて
マリアを抱きしめた







『マリアの気持ちは…わかったから』




『わかって…ないよ…ぉ』








『マリアが…いらねぇ心配するような
無茶なんか、もうしねぇから』





『ウソ・・・説得力ない』









『それとも・・・マリア

俺に気持ちがなくなった?』






『・・・っ』






『別れるって・・・

そういうことじゃねぇの?』








勝手ながら・・・俺は

マリアと別れる理由なら

唯一受け入れられるのは
それだと思う・・・




マリアの気持ちが
俺になければ


それらならば・・・



だけど・・・













『愛してる・・・』









『・・・っ』







奥歯のむず痒くなるような…
そんな言葉を

背を向けてるからと言って
よく言えたもんだ




ついでに言えば
こんな形で言うなんて
なんとも不本意だ・・・






だけど・・・俺は

マリアを愛してる





偽りなんてない






マリア・・・マリアは
違ったのか?





マリアも・・・
俺を愛してくれてたんじゃないのか?






なんて…

自惚れみてぇな

歯の浮くような言葉は
さすがに言えなかったけどな








『俺は・・・マリアを愛してる
どこにも行かせたくない

これからも一緒にいたい

そのために…どんなことでも
一緒に堪えられる

そう思ってる

マリアは・・・ちがうのかよ?』















『・・・・・・そうだよ』

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