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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第21章 覚めない悪夢(ゆめ)・・・

『おやすみ』


つい先ほどの獣のような様子とは
変わりに変わって
すっかり落ち着きはらって
ベットに戻る夫


特に意味はなく
そんな豹変ぶりを
マリアはさりげに見ていた


『何…』


『ううん……カズキって
そんなに…〃好き〃だった……ぇと
・・・〃積極的〃だったかな、って』



つい出た言葉だった




淡白な夫だった

別れ話や…実際に
マリアが夫の元を離れるまで

この男は自分に執着したり
こんなに強欲に体を求めたり
などしなかった



なければ欲しがる

逃げれば追う…




『・・・』


『・・・。その…疲れてないのかな…って
気になっただけ、ごめん。おやすみ』




そして・・・




『ふふっ……』

『?・・・カズキ』










『まりあ・・・お前が〃嫌がるから〃だ』











〃盗られた〃から…取り返す


そういう男・・・







『・・・』







『お前の嫌がる様は何よりも最高だ・・・』







『・・・』


〃・・・変態〃





薄々わかっていながら
突き付けられる現実に

マリアはおぞましくなり
布団を被ろうとする






『っ・・・!?』



『俺の方を見ろ』







咄嗟に震え上がり目を閉じたマリアの頬を
カズキがおもむろに掴んだ






『っ…!!』



『なんて目だ……まりあ

そんな目をして〃年下の男〃を誘惑したのか?』





『・・・な、…』



マリアがうろたえれば
カズキは高揚感を増して
さらに迫ってくる






『何を驚いてる?…事実そのものだろ

いやらしい目付きに、いやらしい声で…』




『カズキ・・・やめて』






『あの男と〃こうした〃んだろうが!?』





『っ…やめてぇっ・・・』






カズキが布団を剥ぎ取り
マリアの股を開かせて押さえた





『アイツは俺よりもお前を求めて

俺よりも…お前を満足させてくれたか?』





『やめて・・・ごめんなさい・・・』







『アイツの前で…!こんな姿をさらして

俺に許さない心をアイツにゆるしたのか!?』






『やめて…っ、カズキ!…お願い』





〃言わないで…言わないで…!!〃





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