かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第21章 覚めない悪夢(ゆめ)・・・
『カズキ・・・病院に行きたい』
翌日、仕事に行くカズキに
マリアは願い出た
『痛みが…少し辛くて
薬もらいに行きたいの』
しばらく止まっていた
生理が始まってしまった
マリアの強迫観念は
究極に増す
『鎮痛剤?常備のがあるだろ』
『私……処方のじゃないと…効かないの』
『産婦人科?…まぁ、いい
次の休みに連れていってやる…いいな?』
『・・・あり…がとう』
あくまで一人で外出はさせようとしない
・・・夫に内緒でピルを手に入れることは
難しそうだ
マリアは半ばあきらめ
別の覚悟をはじめた
重く気だるい体を引きずり
家を掃除する
夫の仕事机が散乱していた
触るなと言われる仕事の資料
あまりの散らかり様に
少し机の書類を整えた
バサ・・・トントン
パサ・・・パサ
パサ
『え・・・?』
見えかくれする書類に目が止まる
『これは・・・』
〃!?〃
マリアは・・・悪夢を
見続けていた