
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・
ギュ・・・
マリアはバックを握りしめ
痛みを堪えて立ち上がった
自分が在宅している時間…
夜間ならば
外から鍵はかけられない
マリアは息を飲んで玄関に向かった
散々に暴れて熟睡している夫
別れを告げに顔を見ることなどもない
むしろ逆
死んでも見つからないよう
忍び足で玄関へと急ぐ
ガチャ・・・
『・・・っ』
〃・・・!?〃
『・・・まりあ』
トイレにでも起きたか
それとも物音か…
『・・・、・・・』
よりによって…肩にバックをかけた状態の
マリアと…夜中に起きてきたカズキが
鉢合わせる
〃そんな・・・〃
寝ぼけている…下手に騒がない方が
ごまかせる
『・・・』
しかしその目は
段々と…はっきりして開いてきた
『まりあ…・・・っお前…!?』
『っ・・・!!!』
ガチャガチャ・・・バァンっ!
マリアはドアの鍵をあけ
しばらく外出せず
少し埃をかぶった靴を拾い上げ
無我夢中で外に出た
カチカチカチカチカチカチ・・・っ
〃早く・・・はやくっ!!!〃
エレベーターのボタンを連打する
『まりあ!!!待てっ!』
『・・・!!』
〃はやくっ〃
階段を使えば追い付かれてしまう
チン…
わずか数秒が長く感じられ
冷や汗が流れていた
鬼のような顔で追ってくる
寝間着の夫
やっと開いたエレベーターに
裸足で飛び込みボタンを連打
ドアを閉めた
『おいっ!!!』
ダンダンっ…!
エレベーターの外扉を叩く
カズキの形相が下降すると同時に
見えなくなり
チン…
一階に着くとマリアは
裸足のまま
マンションを出て走り出した
夫は階段で追ってくるだろうか…
振り向くことも出来なかった
夜道を走って走って
遠く離れたコンビニの灯りの元で
ようやく握りしめていた靴を履く
足は…立てない程ブルブルに震えていた
夜明けを待って
大きなマスクで顔の傷を隠して
久しぶりに訪れるかかりつけだった
産婦人科を受診して
アフターピルを処方してもらい
マリアは街へと姿を消した
マリアはバックを握りしめ
痛みを堪えて立ち上がった
自分が在宅している時間…
夜間ならば
外から鍵はかけられない
マリアは息を飲んで玄関に向かった
散々に暴れて熟睡している夫
別れを告げに顔を見ることなどもない
むしろ逆
死んでも見つからないよう
忍び足で玄関へと急ぐ
ガチャ・・・
『・・・っ』
〃・・・!?〃
『・・・まりあ』
トイレにでも起きたか
それとも物音か…
『・・・、・・・』
よりによって…肩にバックをかけた状態の
マリアと…夜中に起きてきたカズキが
鉢合わせる
〃そんな・・・〃
寝ぼけている…下手に騒がない方が
ごまかせる
『・・・』
しかしその目は
段々と…はっきりして開いてきた
『まりあ…・・・っお前…!?』
『っ・・・!!!』
ガチャガチャ・・・バァンっ!
マリアはドアの鍵をあけ
しばらく外出せず
少し埃をかぶった靴を拾い上げ
無我夢中で外に出た
カチカチカチカチカチカチ・・・っ
〃早く・・・はやくっ!!!〃
エレベーターのボタンを連打する
『まりあ!!!待てっ!』
『・・・!!』
〃はやくっ〃
階段を使えば追い付かれてしまう
チン…
わずか数秒が長く感じられ
冷や汗が流れていた
鬼のような顔で追ってくる
寝間着の夫
やっと開いたエレベーターに
裸足で飛び込みボタンを連打
ドアを閉めた
『おいっ!!!』
ダンダンっ…!
エレベーターの外扉を叩く
カズキの形相が下降すると同時に
見えなくなり
チン…
一階に着くとマリアは
裸足のまま
マンションを出て走り出した
夫は階段で追ってくるだろうか…
振り向くことも出来なかった
夜道を走って走って
遠く離れたコンビニの灯りの元で
ようやく握りしめていた靴を履く
足は…立てない程ブルブルに震えていた
夜明けを待って
大きなマスクで顔の傷を隠して
久しぶりに訪れるかかりつけだった
産婦人科を受診して
アフターピルを処方してもらい
マリアは街へと姿を消した
