
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・
『あの・・・なんで
マリアさんと…結婚したんですか?』
『くだらない…』
『・・・待って下さい』
お門違いと言われるかも知れないが
俺は…生涯
この男を・・・こういう男を
受け入れることも理解することも
出来ないと思う
例え散々な仕打ちを受けてきた
当事者であるマリアが
許したとしても
俺は、絶対許せないと思う
『仰る通り…くだらないことかもしれません
分をわきまえず…俺が口走って良いことでも
あなたが相手にする必要もない…だけど』
『余計な詮索をするな
こちらの聞いたことにだけ答えろ
わかっているな…くれぐれも
分をわきまえてな』
うーわ・・・デター
自分より下に見た人間には
果てしなく俺様キャラ
100ぺん巡りあっても
分かり合えねぇ
それでも…俺
だからこそ
コイツは何を考えてんのか
本気で聞いてみたかった
『あなたは・・・相手の幸せを
本気で願ったことは、ありますか・・・』
『・・・』
『自分の…選んだ女性(ひと)を
生涯かけて…幸せにしたい、とか
自分より…大事だ、って
何があっても守ってやろうって…』
『ぶふふっ・・・ぷっ』
『・・・』
ヤツは本気で吹き出して
カチカチとタバコに火をつけ始めた
『勘弁しろ、首筋痒いぞ…~お前
本気で言ってるのか?…ククク
いくつだオマエ…あ~あれか
中二病とかいうやつか?
~まったく、これだから…ハハッ』
ヤツは心底俺を嘲笑っていた
べつに構わない
何かを期待したワケじゃねぇからさ
『ま…だろーな・・・アンタには』
『・・・なんだと?』
聞いた俺が
バカなんだろうけどさ
煙吐きながら
睨み付けて来たその目線を
俺は真っ向から
受け止めた
『あんたみたいな
〃メッキ〃男には
一生かけたって、縁のない話だろうな…』
