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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第23章 逃避行・・・

マリアの旦那の思わぬ襲撃・・・(?)



俺を冷やかしに来たワケでも
なんでもねぇ

それだけはわかった



あの旦那にしてみれば
マリアが俺に関わる事も

自身が俺に会うことも
二度と御免なはずだろうから




本当に行方がわからない


そして…捜す手立てがないって事だ




そして…執拗に
マリアを捜している・・・






マリア・・・何があった



なんて、それよりも




怪我してるんじゃねぇのか?


行くところあんのかよ?


泊まるとこもなくて
お前…また〃補導〃でもされたら
どうすんだよ?





マリア・・・どこにいんだよ?





関わるな…どうせ何も出来ない

会うな…そもそもそれが約束だ

だけど…やっぱり俺は

マリアを捜した








マリアのアパート…

居ないのはわかってて足を運ぶ




当然マリアの部屋は
引き払われていて

いつかの大家さんが
ボロアパートの前を
掃除している姿があった

声もかけられずに
俺は立ち去ったが

その背中はどこか…めちゃくちゃ
寂しそうだった





マリアの働いていたカフェにも
それとなく聞いてみるが

一月以上前に辞めていると
マスターに聞かされただけで
それ以上の情報はなかった





捜す手立てがないのは
俺も…おんなじだった





おっかねぇ世の中だよな・・・



俺はスマホを手にしながら思った




こんなちっこい電子機器で
当たり前みたいに繋がってる人と人・・・





ある時そのツールを無くしたら
その人と繋がる事が
たちまち出来なくなるんだぜ




または、断ち切る為になら…
それはひとつの
わかりやすいツールかもしんねぇけどな






マリア・・・


お前のいなくなった跡・・・


みんな、寂しがってるぜ?



大家のおばちゃんも…カフェのマスターも



お前を思ってた人達…みんな



そして・・・俺も、さ







だけどそれは
ある事実を思い知らせる





マリアは

〃すべてを捨てた〃んだ・・・

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