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ｷｷｨ…ｯ…



マリアの仰天した顔に
ブレーキを踏んで車を止めた





『ゆぅちゃん・・・何言ってるの？』



『だから…俺もこっちにいるって』






『ちょ…ちょちょちょ…っ待ってよ？！

咄嗟に飛び出したかもしれないけど…

それは…っ』







『～マリアをとりあえず
避難させようと思ったのはあるけど？

勝手に連れて来たの俺だし？
置いて一人で帰るワケねぇだろうが

どんだけ無責任なんだよ俺(笑)』






『そ…ういう問題じゃ・・・』





『じゃ…どーゆー問題だよ？』





ま・・・実際のとこ

問題だらけだけどな？







『お仕事…あるでしょ』






『明けにすぐに連絡して…辞める』






『ちょっと待ってってば…
バイトじゃあるまいし…ゆぅちゃん』






『あ～…ムコウの家、引き払うから
一度くらいは帰るだろうけどな
～それから…』






『っゆぅちゃん・・・っ！！』






『・・・』







『現実逃避にも・・・程があるよ…っ』








『社会的立場？…名誉だ？…仕事・・・』






『・・・？』







『んなモン…ﾁﾏﾁﾏ抱えてっから
踏み出せねぇんだよ』






『ゆぅ…』






『そんなモン…
マリアの人生…犠牲にして
守りたいモンなんかじゃねぇよ

誰が何て言っても
少なくとも…俺にとっては』







『・・・』







『失う事を恐れるモンなら
こっちから捨ててやる

なくすモンがなくなれば
恐れなくていい

お前の・・・旦那とも
今度こそ…向き合える

堂々と・・・闘える』







『・・・』






『俺がなくしたくないのは

お前だけだから・・・』