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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第24章 二人だけの誓い・・・

ザザー・・・ザザー・・・


止まることのない波の音


潮風にのって
マリアの長い髪の毛が
サラサラと揺れていた




『ゆぅちゃん・・・』





『・・・』




ポケットに押し込めてた
指輪の入った小箱を
マリアに向けて差し出す







『ゆぅちゃん・・・それ、どうして』




『~~・・・』







顔が…めちゃくちゃに熱を持つ






『は…はやく・・・受けとれよ
あちぃじゃねぇか

それに・・・マリア、お前
いつまでもこんな海岸で突っ立ってると
日焼けしちまうぞ…っ』

















『・・・・・・ダメ』









『・・・』








『・・・・・・できない』









・・・。




元々…



〃ルール違反〃から始まった関係だ



そりゃ…当然なんだけどな






『ぷっ…、ははは…マリア~
相変わらずだなぁお前・・・

フツーそうくるか?!
こういう場面でよぉ・・・(笑)』









『ごめん・・・』












『ははっ・・・まぁ、そうだよな』











勿論、不真面目に言った事ではない

でも・・・開き直って

堂々と言って良いことでもねぇんだ







それでもショックとか…やっぱ受けててさ

俺は指輪を引っ込めようとした








『ハハハ…~~マリア?

そんな…固まるなよ(苦笑)
気にすんなって

ほら…暑いし、行くぞ?』








『・・・』








『マリア~~?…
そんな…ガチになんなよ…』






『そうじゃ・・・なくて』






『・・・マ』













『〃その名前〃じゃ・・・できない』

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