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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

ガタンゴトン・・・ガタン



電車の揺れって
やたらと眠気を呼ぶよな



少し・・・どれくらいの間だろうか
俺とマリアは眠っていた




うたた寝して…一瞬ドキッとした

一瞬だけどな


隣にその人が・・・

マリアと手が繋がれたままだったから

ホッとして…目をこすった





『マリア・・・乗り換えるよ?』

『~~…うん・・・』




最後に乗り換えをする頃になると
さすがに窓から見える景色も
ガラリと変わって行った





『もうすぐ・・・着くね』

『・・・あぁ』




繋いだ手を
いつになく…ギュっと握る




『ゆぅちゃん…少し日焼けしたね?』




『毎日…日中でずっぱりだったからな(苦笑)

てかなんでマリア・・・焼けてねぇの?』




『私・・・日焼け止め塗ってたし?(笑)』








『ぷっ・・・』

『ふふふっ…』



不意に近付いた顔が…距離をつめる


座席の影に隠れて
そっとキスをした





長くて短い・・・幸せな旅が

終わろうとしている

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