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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第4章 幸せじゃ・・・ないのかよ?

白っぽいコートに、黒のブーツ

コジャレたバック持って・・・



至って普通の・・・女の子。





なんだよな・・・。





そう・・・

改めて言うが
とても既婚者になんか…見えねぇ。




コイツが…人妻ねぇ。


近所や周りから「奥さん」とか
言われてんだろ?

職業聞かれたら「主婦です」とか
言っちゃうんだろ?



ド派手に着飾ってるってタイプじゃないが

可愛くしてる…オシャレな
女の子?だぞ。



まだ若いからか?

どっちかっつーと
渋◯とか歩いてそうなギャル…?いや
ロリ・・・とまでは言わないが

いわゆる〃女子〃だ。










なんて俺をおいて


マリアが早速と言うように

スッ…と

封筒を俺に差し出して来た。




『あの…これ
ありがとうございました』



俺に封筒を渡すと
控え目に両手をちょこんと合わせて
俺の方を向き、再び会釈する。



『…わざわざ、悪かったね』




『ううん。ぁ…それからこれも』





続いて紙袋を渡される。



『・・・?』




中には
マリアが帰る時に着せた
パーカーとサンダルが入っていた。






パーカーも、そのまま棄ててもよさそうな
ボロサンダルまで

キレイにクリーニングされて
丁寧に包んであった。



『返さなくてイイって…言ったのに』



『……そう言うわけにも。
でも本当に助かったの…ありがとう』



『そりゃ良かっ・・・ん?コレは?』



何やら平形の包装された箱も
姿を現す。


『ぁ…の、チョコレート…なんですけど』



『・・・?』



『御礼という程の物じゃないんだけど
良かったら…』




思いがけない気遣いに
俺は少しポカンとしてた。

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