テキストサイズ

光と愛の乙女詩集

第31章 僕が恋した君は桜の精

君と出会ったのは
桜並木の桜が咲き始めた頃

僕は君をひとめで好きになった

長いサラサラのピンクの髪
まるで君が桜のよう

思わず見とれてしまう

勇気をもって話しかけた

君は普通に話してくれたね
毎日 桜並木の下で話したね


そして―――


桜が散り始めた頃
君が言った

「私は桜の精なの、桜が全部散ると消えてしまう」

僕は信じたくなかった
だから信じなかった


でも―――


本当だった


桜が全部散ったとき
あの桜の木の下に君はいなかった

……次の日もずっと現れなかった



ある日 君の声が聞こえた気がした



「また桜が咲く頃に逢おうね」

と。


だから僕は君を待つ


桜の君に―――








『愛を誓う』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ