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同窓会 SN

第115章 熱愛1 翔


1-1

和也が寝室のドアを閉め、廊下を歩いて玄関に向かう

遠ざかって行く足音
そして開かれ、すぐに閉じられた玄関ドア

ご丁寧に 鍵までかけた後 その鍵がドアポストに落とされた音が微かに聞こえた


そんなはずは無いのに、
ドアに背中を付けて漏らす小さな嗚咽や 
暫く躊躇った後に エレベーターに向かって歩いて行く寂しそうな足音までが聞こえるような気がする


哀しいことに 俺の聴力はごくごく普通、人並み以上でも以下でもない為
最後の「気がする」は、文字通り 確実に「気のせい」でしかないんだけど



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