同窓会 SN
第24章 新しい季節4 翔
何が引っかかるのかわからないままに もう一度フロアー全体を見渡して気づいた
・・・そうだ、和也の椅子の背もたれが見えないんだ
という事は、椅子がどこかに移動されてるか、
若しくは、・・・倒されてる?
胸の奥がざわっと騒ぐ
いやな予感がして そこまで回り込んで確かめようと思った矢先、
何かをガンッ!と蹴る音が聞こえた。
「誰かいるのか?」
「んんっ・・・」
くぐもった小さな声と衣擦れの気配。
机の島を回りこんで近づいた俺の反対側から 誰かが脱兎のごとく逃げ出して行った。