同窓会 SN
第35章 秘密1 翔
1-1
「なんか、緊張するな~」
黒のスーツに身を包んだ和也が
笑顔をこわばらせる。
ここは例のスケベ親父、
堤コーポレーションの 創立50周年記念パーティーの会場。
今回 横浜支社が社屋ビル新築となり、
その落成、お披露目も兼ねての
横浜支社ビルでのパーティー開催。
そこに俺宛に招待状が届いた。
本来なら 秘書のあおいさんか 担当課のチーフと来るべきはずのところだが
生憎両者ともどうしても都合がつかず
一人で参加の旨返事したところ、
横浜支社長の方から
「それなら是非二宮くんと」とのお誘い。
先方からのご指名だが、
パーティーに行けば 当然堤社長とも会うことになる。
できれば和也を連れて行きたくはない。
断ってくることを半ば期待しながら
「お前、行く?」
と聞いたところ、
「あ~、じいさんから俺の方にも直接連絡あって、久しぶりに顔見せろって言うからさ~・・・パーティーなんて面倒だけど、仕方ないよな…」
という返事。