
同窓会 SN
第71章 桜1 和也
「え、と なるべく人が少なそうなとこなら・・・」
「へぇ、珍しいね、お前が出かけてもいい、って言うなんて。大抵自分の興味ないことはバッサリ切り捨てるのに」
「え?俺いつもそんなワガママな感じ?」
「ワガママ・・・って言うか・・・俺は別に気にしないけど。行きたけりゃ一人でも、他の誰かとでも行けばいいんだし。お前にはお前のやりたいことがあるんだろうからな」
「別にどうしてもやりたいことがあるわけじゃないよ。ただ ものすごい人ごみは歩くだけでも大変だし、メシ食うのにも時間かかったりするし、そこまでして行きたい、とか 観たい、って思うものがないだけで・・・」
「うん、いいよ。今度東北行った時にでも見てくる。向こうはまだ今頃つぼみだろうからな」
「あ、だけど・・・だけど・・・い、行こうかな・・・せっかく天気もいいし・・・」
「・・・あれ?こんないい天気だけど これから雨が降るのかな?」
完全に誂ってる顔で、大げさに眉を顰めて空を仰ぐ翔。
