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好き心少なからず

第8章 条件にピッタリだ~岸田×八神~

部に顔を出すと、二年生の加納と一年の工藤、三枝がいた。

「今日はこれだけか?」

「だって岸田先生いないんだもん」

三枝が口を尖らせて反論してくる。

その横で、工藤が黒縁眼鏡を押し上げて

「片桐先輩と柳瀬先輩は塾の時間だって帰りました」

二人とも3年で、受験組だもんな。

それは仕方ないか。

「輝穂も来れないって話だし」

加納のぼやきに、初めて聞いたように質問してみる。

「そうなのか?何か用でも?」

「ん~、何だかよく分からないんだけど」

俺の質問に、加納は眉を寄せて考え込むと、唇に人差し指を当てた。

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