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好き心少なからず

第13章 人が好いヒト~田口×姉ヶ崎~

小さいうちは、って事は、今はそうではないって言いたいんだろうか?

副部長は苦笑いめいた笑みを浮かべると、小さく呟いた。

「巧いこと利用されたか」

「え?」

「いや、何でもない」

首を横に振ると、

「やっぱり、今度会ったら…楽しみだな」

そう言って、ククッと低く笑った。

その笑みに、背筋がゾクッと震える。

テニスコートに戻っていく副部長の後ろ姿を見ていると、カズが戸惑った声で聞いてきた。

「…大護さん、何なんだ?」

「さあ…」

さっぱり分からないけど…

おい、英嗣。

お前の彼女、何したんだよ!?

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