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好き心少なからず

第14章 失敗作?~栗原×速水~

「入れなきゃいけないのが入ってないだけだよね」

う…

現実の先輩は俺に惚れる気配はない。

こうやっておちょくられるだけ。

「ありがとう。ご馳走さまでした」

「いいえ。お粗末様でした」

先輩が完食したのを見て、俺もカップケーキを口にした。

ケーキと言うには固くて、クッキーと言うにはずっしりしている。

決して旨いと言えるものじゃないのに、全部食べてくれた。

先輩の気持ちが嬉しくて、頬が緩んでしまうと

「でも何が失敗だったか分かったんでしょ?」

あくまでさらりと。

だけど、メガトン級の重さで打ち負かされた。

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