テキストサイズ

好き心少なからず

第16章 近付きたい~曽根崎×速水~

わざわざ、そんな事を言うために追いかけて来たのか!?

ドギマギした自分が滑稽で、何だか笑えてくる。

クックッと喉の奥で笑うと

「小説と別物だって思えばいいんじゃないか?」

「まぁ…そうなんだけどねぇ…」

口を尖らせて渋い表情をしている速水に、また笑いがこみあげてくる。

「速水って…意外に頑固だな」

「曽根崎くんは、そそっかしい?」

「は?何で!?」

速水は自分の胸ポケットの辺りを指差した。

「ここ。何か食べ物付いてる」

「え!?」

見れば…カップケーキの欠片だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ