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｢そんなに差はないって言ってた｣

絢音がさらに追い込むような事を言う。

｢新田くんの方が、大護の好みだった…って話よね｣

ね、って言われても。

そもそも、あの人の好みで決められたのは不本意で…納得できないって伝えたはずだけどな。

僕が顔をしかめたら、入江は何度か瞬きを繰り返した。

｢大護？…って、誰？｣

あれ？

僕も驚いて入江を見返した。

あの時見ていたのなら、あの人の名前も聞いたはずじゃないか？

絢音があんなに名前を連呼していたんだから…