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好き心少なからず

第22章 イイコト~梶×宮下~

「花夏!お前も何か言えよ!」

我関せずな態度にいらついて、花夏に話を振る。

すると、花夏はきょとんと小首を傾げて

「あ…うん。付き合ってる」

そうじゃねぇだろうがよ!

「あのな…」

言いかけた俺の頭を誰かが叩いた。

「いてっ!!何すか!?」

「花夏ちゃんは認めてるのに、リューはいさぎ悪いねぇ」

振り向けば、部長が顔を歪めて笑っている。

いや、それ、間違った言い回しだから。

正しくは、潔(いさぎよ)くない。

だけど部長の雰囲気に、そんな訂正も出来ないまま、固唾を呑み込んだ。

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