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好き心少なからず

第32章 球技大会6(田口)

「その優しさは、あなただけに向けられたものじゃないから」

淡々と、言い含めるような口調。

なのに、話してる内容が…

「何が言いたいんだ?」

僕が姉ヶ崎さんに世話を焼いてる?

だったら僕に言えばいいだろ?

「だから、忠告」

顔をしかめた僕に、香澄はニヤリと笑うと

「早く気付いた方がいいでしょ?」

そう言って、僕と姉ヶ崎さんを等分に見て、会釈をするように首を傾げた。

「じゃあね」

それだけを言い残すと、香澄はくるりと向きを変えて歩き去っていった。

「あ…」

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