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好き心少なからず

第33章 球技大会7(新田)

目を丸くする僕の顔を、上目使いで覗き込むように見ると

「もちろん、新田くんがイヤじゃなければ、ね?」

ね?と言いながら小首をちょこんと傾げたりして。

こいつ…っ!!

何も言えなくなった僕に笑いかけると

「行こ?」

そう言って手を差し出すんだ。

「あぁ…うん」

その手をとって歩き出すと

「新田くん、そっち行き止まり」

「へ?秘密の抜け穴は?」

「そんなものあるわけ無いじゃない」

クスクス笑う絢音の声を聞きながら、僕は顔を赤くして来た道を戻って行った。

…手は繋いだままで。

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