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好き心少なからず

第34章 球技大会8(梶)

あの時、1ヶ月もあればわかるって豪語したから、自分から言い出せないんだろ?

「別に延長しても構わないぞ?」

花夏を分かってるつもりでそう言ったのに。

「延長…」

小さな声で呟いて、花夏は眉を寄せて…

何でそんな顔するんだよ!?

「花夏…」

呼び掛けた声が、笛の音でかき消された。

「集合ー!!クラス毎に集まってー!」

実行委員の呼び掛けに、花夏はぴょんと音がしそうな勢いで後ろを向いた。

「あ、行くね」

「お、おぉ…頑張れよ」

「リューセーもね!!」

そう言い残して、花夏は走って行った。

完全に気が削がれて、ため息をこぼす。

続きは…まぁ、部活の帰りでもいっか。


【おしまい】

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