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好き心少なからず

第36章 球技大会10(入江②)

「輝穂ちゃんなら体育の時間でもテニス上手かったし」

「うん、そうだね」

知ってるよ?

輝穂ちゃんが私よりテニス上手いこと。

それに、普段はクールな人だって思われてるけど、意外と情にもろい人だってことも。

宇野くんに頼まれて、断れなかったんだろうってすぐに予想がつく。

「ずるいなぁ…」

ため息とともにこぼれた言葉に、絢音ちゃんが反応する。

「何か…まずかった?」

「ううん!!全然!」

慌てて首を振って否定して…心の中でもう一度呟く。

本当、ずるいよなぁ。絢音ちゃんってば。

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