露出狂☆ ~淫乱ドS王子と変態育成ゲーム~
第2章 いきなり大ピンチ!? はじめての露出狂☆
「でさぁ、間口のやつ…」
「えっ!まじで!?」
ガタン!!
密着した自動販売機が飲み物を吐いた衝撃でがらりと揺れる。
(はやく、はやく帰ってよ…!)
とにかく自動販売機という大きな箱のわずかな死角と暗闇に紛れて彼らをやり過すしかない。
体を震わせながら彼らの声に耳を澄ませていると、
ガサッ!
「・・!!」
「ん? 今何か動いた?」
「はっ?」
私の汗でじっとりと湿った掌からスマホが滑り落ちてしまった。
「おい、そこ誰かいるんじゃね?」
「えっ? まじかよ?」
ま、まずい!!
彼らの言葉の一音一音に心臓がドクドクと脈をうつ。
「酔っぱらいか何か?」
「可愛い女の子だったりして」
半笑いのまま、彼らは私の方に歩き出す。
(やばい! 見られちゃう!!)
私は即座にスマホを拾って体を縮めた。
「こんにちわ~、誰かいますかぁ?」
お願い神様!
細い指が自動販売機の端に現れ、直後、私を探す若い男の横顔が私の目に入った。