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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第12章 花の命・・・

『君は…医学生なんだろう?』




『・・・ぇ』





『私は・・・医者だ』






『・・・』





『私は・・・【医者】であって

【神様】では、ない・・・』





『・・・っ』



ズキっ…


オレの心臓が
何かに叩かれたような衝撃を受ける






『君も…医者になる人間のつもりなら

それくらいの・・・∥それだけ∥は

心しておくんだな』







『・・・は…い』




黙って返事しか出来ない
威圧感…じゃないけど
威厳があった



そして、この先生の
この時の言葉は

この先のオレの人生に
ずっと

あらゆる場所で
残り続けることになる






『それでも・・・我々は』




『?…』





『どんな爆弾があろうが…最悪だろうが

そこに・・・命がある限りは

出来る治療があるうちは…

可能性を常に探して

絶対にそれを諦めない』





『・・・』






『それが・・・∥医者∥だ』







格の違い・・・あって当然だけど

懐・・・覚悟・・・全ての違い



それらに圧倒されて
ようやく頭が冷えたかのように
オレは恥じる気持ちが沸き上がって


思わず頭を下げる




『っ…すいません・・・でした…』


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