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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第12章 花の命・・・

カンナの身に降りかかった事実が

あまりに無情で…酷で



オレは…向き合ってるようで

目を背けていた




カンナの顔も見に行かずに、この何日も…





コンコン・・・


ガラッ




『カンナ・・・?』




オレはようやく病室を訪れた






『ケイゴ・・・』




ニコリ、と

カンナは…笑顔を見せる






『ぁ…ごめん、カンナ・・・オレ』




『どうして?…謝るのは私の方だよ

ごめん・・・こんなになっちゃって…~

はは・・・まいっちゃった・・・』






『・・・』


なに…笑ってんだよ、こんな時に



なんて思いながら

カンナの健気な笑顔が…辛くて

心苦しくて…オレは目を反らしそうになる






『ほんと、ごめんケイゴ・・・♪

忙しかったでしょ?時間大丈夫なの?』





『・・・』

忙しかった……そんなんじゃない

余計に膨らむ罪悪感に

オレは心で自分の頭を叩いていた







『・・・~また・・・ひと踏ん張りかぁ』





カンナがゆっくり…一呼吸おいて

少しうつむきながら笑って呟く





『カンナ・・・』





『ちょっと振り出しに戻るけど…

ケイゴ・・・待っててくれるかな…』




『・・・』




『また、しばらく…足止め…って言うか』





一緒に叶えようと言った夢は

再び遠退いてしまった

カンナはそう言いたいのだろう。

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