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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第12章 花の命・・・

『っ……ぅ… …わぁっっっ・・・』




カンナが…

精一杯の強がり…張りつめたものが

プツリと切れたみたいに泣き出した





当たり前だ・・・これが


これが・・・彼女の心の内だ





『カンナ・・・泣いていいよ』




『うっ…ぇぅ…っ …わぁぁぁっ』





ポフ…ポフ…ポン…ポン


オレは隣に座って
カンナをそっと抱きしめて背中をさすった




『いっぱい・・・泣いていいよ』





『けぇご・・・っ、っく・・・

マスク・・・ひっく、…はずしてよ…』





感染症とか…何かと要注意だから
見舞いに来るには当たり前になってた習慣






『え・・・でも…』






『けぇごの顔が…見えないもん』





『・・・~』





『会いたかった・・・のに

やっと・・・顔が見れたのに』





オレは…あのドクターの言った事が

やっと少し…わかった気がした




ただ嫌味でも言われたのかと思ってたこと

それは、決してそうじゃない





オレに・・・出来ること



今のオレに・・・出来ること





オレがカンナに…してあげられること。








『うん・・・わかった』

∥ごめんな、カンナ∥



冷静さを失くして
やけくそみたいな事に走って

カンナの・・・気持ちを
置いてきぼりにしていた





『カンナ・・・大丈夫だよ』




あの医者に、散々言われたのに

オレは…また無鉄砲、無責任な事を言う

さぞかし嫌味言われるだろうな




でも…かまわない



今のオレには

そんなことしか、出来ないから。






いいんだ…




『ふふっ・・・じゃあ大丈夫だね』




泣き止んだカンナが…笑うから

いいんだ…





『ケイゴがそう言うと…大丈夫だから♪』

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