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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第1章 幼く・・・儚く

『滝川くん、ほんとありがとう
うち・・・そこだから』




住宅地に浮かぶ一軒家



とてもじゃないけど
貧しそうな家でもなんでもない




お勉強が好きなら

おとなしくお勉強してりゃいいじゃん?



せっかくの夏休み返上して

バイトまでして

へんなヤツ・・・





なんて…彼女の家の前に来たオレは

またまた、そんな

勝手なことを思ってた







『じゃぁ・・・』





『うん!ありがとう

またバイト一緒だったらよろしく!

それじゃぁね、滝川くん・・・』






『・・・』









『えっと・・・〃ケイゴ〃くん!』







『え・・・』






なんか・・・一瞬だけ

うろたえた








『ふふ・・・だって
弟さんと…また間違えたり

もしも二人並んでる時に
滝川くん、て呼んだら

二人とも
振り向かなきゃならないでしょ?』






『・・・』





『ふふふっ・・・それじゃ

あ、リョウキくんにも
よろしく伝えてね!

今日はありがとう!
さよなら』






『・・・』





バッカみたいに・・・満面の笑顔でさ





ちっこい手を目一杯振って




家に帰っていったソイツ








オレは・・・なぜか



硬直していた。










だから・・・苦手なんだって






苦手な・・・だけ

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