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理科準備室と先生と

第1章 日常


キーンコーンカーンコーン。



授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。



それを聞いたがすぐに

ガチャガチャと教材をしまいはじめる者や

慌ててノートをとる者がいる中…


「今日の授業はここまで〜」


さわやかな笑顔でそう言った先生は

理科の担当教師、沙原 紡(サハラ ツムグ)先生。



…私の想い人。


笑顔が素敵で生徒想いのとても優しい先生。



教師に恋愛なんてありえなぁい!?


私もそう思ってたんだけど…


気付いたらもう目で追っていて


話したくて、近づきたくて、


気づいた時には後戻り出来ないぐらい


先生の事が好きになっていた。



ううん。


もしかしたら一目惚れだったのかも。



少しだけでいいから…


先生をもっと見ていたい…


「…華?マ…!…舞華っ!」


『えっ!?』


「いや、『えっ!?』じゃないからっ笑」


『…』


「もー、また先生の事見てたのー?もう授業終わったよー?早く次の授業の準備しないと…」


この子は親友の深瀬 朱里奈(フカセ アリナ)。



いつからボーッとしてたのか、教室にはもう先生は居なかった。


『ちょっと、声大きいんですけど。皆にバレちゃうじゃない』


「はぃはぃ。ごめんごめん笑。次の授業移動だよ?ほら行こ!」



朱里奈とは中等科からの付き合いで


何だかんだもう4年目になる。



唯一、私の想ってる人を知る人物。


明るくて気さくないい子。


ちょっと声が大きいけどね。



先生の事を初めて朱里奈にいったのは半年前



気持ちの正体を認める訳に行かなく


どうしようも無くなって朱里奈に相談したら



明るく、恋だね!なんてニヤニヤ答えられた



それからは今みたいに



からかっては私に怒られてる。


朱里奈はMなのかしら。



でもほんとにいい子なの。優しい。



私の大事な親友。



そうこうしてる間に移動教室につき



座席に座り教材を開く。



そこで丁度始業のチャイムがなった。




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