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理科準備室と先生と

第2章 先生の上着



コンコン…ガラッ



ドアを開けると椅子に座った後ろ姿の先生がいた


私の好きな先生。


見覚えのある背格好。



呼ばれた…ふたりきり。


それでけで私の心臓はバクバクと音を立てた。




『失礼します…』


緊張で少し声が震えたのが自分でもわかった。



恥ずかしい。


「ぁ、妃乃さん。いらっしゃい。」



私に気づいた先生はいつもの優しい笑顔でこちらに振り返る。


ニコッと笑ったその顔はほんとに爽やかで


先生を好きな女の子はきっと


私のようにこの笑顔でやられたのだと思う。



「今、妃乃さんにお渡しする物を丁度作成しているので、もう少し待てますか?」



『ぁ、全然大丈夫です!』



良かった、っと笑った先生は


コーヒーしか無いんだけど、と


私に少し甘めのコーヒーをいれてくれた。



「そこのソファに座って待ってて?」



『はいっ』



作成中先生はもくもくと資料の作成をしていた



時計の音と



先生の指に合わせてなるキーボードの音、



先生と同じ空間で、



コーヒーの香りが



心地良くて



すごく居心地が良かった。

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