
ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
すぐに名前を呼ばれ、忍び足で診察室に入る。
昨日と変わらない家具の配置に、また同じことが繰り返されるのだと、改めて確信した。
『よろしくね。朝でごめんな、検査室今しか空いてなくてさ。』
あれだけ恐がっていたせいか、実際の柊先生はどこか優しく見えた。
それでも不安は増すばかり。
もう泣きそう…
「っ…」
『そんなに嫌?』
「…」
右側の髪を耳に掛けて緊張を誤魔化す。
柊先生の問いには何も答えたくない。
『君が昨日みたいに暴れなければすぐ終わるよ。』
そうだ。全て、私次第だ。
『先出しておいで。』
昨日と同じ要項で検査が始まった。
