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ねぇもう嫌・・・

第15章 エコー



大丈夫大丈夫




そう心の中で唱えて、カーテンを右にずらした。




すぐにその音に気づいて、柊先生がこっちに振り返った。




「っ…」




胸の奥がぎゅぅっと痛んだ。




その波に呑まれそうでしゃがみそうになったけど、




"これで最後"




そう言葉で言い聞かせた出来るだけのバリアで




私は足を踏み出した。




『座って。』




ペンを指先で巧みに弄ったまま、柊先生は言う。




今にも力が抜けそうな足どりで、そっと椅子に座った。




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