
ねぇもう嫌・・・
第18章 診察
見えてきた白い巨塔に、少しだけ鳥肌が立った。
受付で診察券を出し、カルテを貰う。
『今日は佐藤先生の診察ですね。』
「…」
名前を聞くだけでもドキドキする。
『では泌尿器科ですね。えーと…本館を抜けて東館になります。』
「…っ?」
思わず首を傾げた。
泌尿器科?
なんで…っ?
『宜しければご案内しますが…』
「っ…いや…っ」
慌てて否定するも、動揺が隠せない。
佐藤先生って泌尿器科の先生だったの…?
そしたら……
再発…?
再発、したのかな…。
柊先生の姿が脳裏をかすめた。
「…ぁっ、ありがとうございますッ」
そう言って指先でカルテを強引に受け取り、足早にその場を離れた。
