ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
『いいんだよ別に。
出来ないことは悪いことじゃないから。』
柊先生の両膝がこっちに向く。
…向き合ってる…。
自分の膝だけ見ていたのに、不意に視界に入ってくる。
「…できたもん」
そう言えるのにはちゃんとした自信があった。
今日のは、そもそもやらなかっただけで、その気になれば絶対出来るはずだし―――。
『だーかーら、俺が言ったこと、出来てないでしょ。』
柊先生の両手が、私の両膝にそれぞれ乗っかる。
「ゃ、やめてっ、。」
思いっきりその両手を押し出した。
拒んでしまった、。
「…っ。」
眼が熱くなる。
そして視界が揺らいだ。