卑怯なボクは深海魚
第1章 見なかった事には出来ない
「――――いらっしゃいませ~」
初めて入るコンビニだったが…
店員の気の抜けた声に…やる気がないのが解る――――…
時間帯も時間帯だ――――…混雑時が過ぎて気が抜けているのだろう…
と、おにぎりのコーナーに向かうボクの足が止まった――――…
――――…長谷川…先輩?
お菓子の売り場で何かを悩むように見ている先輩の姿に…
ボクは心臓が跳び跳ねた!!
「///――――…」
先輩は部活の大きなカバンを肩から下げていて…
いかにも部活帰りのスポーツ高校生って感じだ
甘いものが好きなのか――――…お菓子をあんなに必死に見てる!
可愛いなぁ…
焼却炉で会った時とは――――…雰囲気が…違…う――――?
と、次の瞬間――――!!
先輩は手にしていたお菓子を――――…カバンに入れるのを…
ボクは見てしまった――――…