卑怯なボクは深海魚
第9章 好きで…いいですか?
ホームルームが終わると…
ボクは時計を見ながら教室を出た――――…
早く映画館に向かいたかった…
ホラー作品なんて…苦手で観たいとも思わなかったけど…
今回は…先輩が観たいと言った作品だ…
足取りも軽くなる!
――――…よく考えると、あの菩薩のような先輩からは想像できない…
ホラーとか…観ない雰囲気なのに――――…
また、先輩の知られざる一面が見れた!
――――なんか…うれしい…
「///春太~!待ってよ!」
ボクは――――…その女の声と…発した名前に
ピクリと反応してしまった
3年の校舎から…長谷川先輩が彼女と出てくるのが見えたのだ…